「カメムシって刺すの?」と不安に思ったことはありませんか。秋になると家の中に入ってくることもある身近な昆虫ですが、その生態は意外と知られていません。
この記事では、カメムシは人を刺しますか?という基本的な疑問から、クサギカメムシは刺すのか、また人を刺す種類のカメムシはいるのかについて詳しく解説します。
さらに、もしカメムシに刺されたら、あるいはサシガメに刺されたらどうなるのか、その具体的な症状や刺されたあとの経過、そしてカメムシは毒がありますか?という心配にもお答えします。
万が一の事態に備え、カメムシを刺激するとどうなるのか、分泌液による皮膚炎の治し方や写真付きの情報、そして最も重要な刺された際の対処法まで、網羅的にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 人を刺すカメムシの種類と刺さない種類の違い
- カメムシに刺されたり触れたりした際の症状
- 万が一刺された場合の具体的な応急処置と対処法
- 悪臭だけじゃないカメムシの分泌液による皮膚炎のリスク
気をつけて!人を刺すカメムシの真実
- そもそもカメムシは人を刺しますか?
- 人を刺す種類のカメムシを紹介
- 身近なクサギカメムシは刺すのか
- カメムシに毒はありますか?危険性を解説
- カメムシを刺激するとどうなるのか
そもそもカメムシは人を刺しますか?
結論から言うと、ほとんどのカメムシは人を刺しませんが、一部の種類は人を刺すことがあります。一般的に「カメムシ」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、クサギカメムシやマルカメムシといった草や木の実の汁を吸う「植物食」の種類です。これらのカメムシは、人を刺すための針や攻撃性を持っておらず、危険を感じた際の防御手段は主にあの強烈な悪臭です。
しかし、カメムシの仲間は非常に多様で、中には他の昆虫を捕食する「肉食」の種類も存在します。これらの肉食性カメムシは、獲物を捕らえるために鋭い口吻(こうふん)を持っており、この口吻で人の皮膚を刺してしまうことがあるのです。したがって、「カメムシは刺さない」と一括りにするのは誤りで、種類によって習性や危険性が全く異なると理解することが重要です。
ポイント
カメムシの多くは植物食で人を刺しません。しかし、サシガメ類などの肉食性カメムシは、捕食用の鋭い口で人を刺すことがあります。
人を刺す種類のカメムシを紹介
人を刺すことがあるカメムシは、主に「サシガメ科」に属する肉食性のグループです。彼らは他の昆虫などを捕らえ、注射針のような鋭い口を突き刺して体液を吸います。この口は非常に強力で、身の危険を感じた際には防御のために人間に対しても使用されることがあります。
日本国内で注意すべき代表的なサシガメの仲間をいくつか紹介します。
ヨコヅナサシガメ
体長は2cm前後で、全体的に光沢のある黒色をしており、腹部の縁が白黒の縞模様になっているのが特徴です。この模様が相撲の横綱が締める化粧まわしに似ていることから、その名が付きました。公園や街路樹のサクラ、ケヤキ、エノキといった木で集団生活をしています。普段は木の高い場所にいますが、繁殖期などには低い場所に下りてくるため、知らずに触れてしまい刺される被害が報告されています。
ホソハリカメムシ(サシガメの一種)
質問者の方が山で刺された例のように、野外での活動中に遭遇することがあります。体型が細長く、鋭い口吻を持っているのが特徴です。不用意に捕まえようとすると、強い痛みと共に刺されることがあります。
注意:サシガメ類には不用意に触れない
サシガメの仲間を見つけても、素手で捕まえたり、刺激したりしないでください。袖口から衣服内に入り込み、肌との間で圧迫された際に刺されるケースも多いため、屋外活動後は衣服をよく払うことも大切です。
これらのサシガメ類に刺されると、ハチに刺されたような激しい痛みを伴うことが多く、注意が必要です。
身近なクサギカメムシは刺すのか
家庭で最もよく見かける緑色や茶褐色のカメムシ、例えばクサギカメムシやマルカメムシなどは、人を刺すことはありません。彼らの口は植物の汁を吸うために適した形をしており、肉食性のサシガメのように硬い皮膚を貫く能力はないのです。
しかし、刺さないからといって安全なわけではありません。彼らの最大の武器は、ご存知の通り「悪臭」です。この臭いの元となる分泌液には、アルデヒドという成分が含まれています。
実はこの分泌液、ただ臭いだけではないんです。高濃度の液体が直接皮膚に付着すると、化学熱傷(やけど)のような状態になり、赤く腫れたり、ヒリヒリとした痛みを伴う皮膚炎を引き起こしたりすることがあります。
特に、服の中に入り込んだカメムシを知らずに潰してしまったり、手で払いのけようとして液体を浴びてしまったりすると、炎症を起こす可能性が高まります。洗濯物についていたカメムシに気づかず、そのまま着てしまった場合なども同様のリスクがあります。
カメムシに毒はありますか?危険性を解説
「カメムシに刺されたら毒が心配」と感じる方もいるかもしれませんが、ハチやムカデが持つような、アナフィラキシーショックを引き起こす強力な「毒」は持っていません。
サシガメが刺す際に注入するのは、獲物を麻痺させたり体組織を溶かしたりするための「消化液」です。この消化液が人間の体内に入ることで、アレルギー反応として激しい痛みや腫れ、かゆみを引き起こします。つまり、作用としては毒と似ていますが、生命に危険を及ぼすような毒性ではないとされています。
補足:シャーガス病について
海外、特に中南米では、サシガメの一種が「シャーガス病」という感染症を媒介することが知られています。しかし、現在のところ、この病気の原因となる原虫は日本国内では確認されていません。そのため、日本でサシガメに刺されてもシャーガス病に感染する心配はないと考えられています。(参照:厚生労働省検疫所 FORTH)
危険性はゼロではありませんが、過度に心配する必要はないでしょう。主な危険性は、刺された際の激しい痛みと、分泌液による皮膚炎の二点です。
カメムシを刺激するとどうなるのか
カメムシを刺激した場合に起こることは、主に2つです。
- 悪臭を放つ
これはカメムシの最も基本的な防御行動です。身の危険を感じると、胸部にある臭腺から悪臭の元となる液体を霧状に噴射します。この臭いは非常に強力で、一度付着すると簡単には取れません。 - 皮膚炎を引き起こす
前述の通り、悪臭の液体が直接皮膚に付着すると、化学的な刺激によって皮膚炎を起こすことがあります。特にクサギカメムシなどの植物食性の種類では、刺されることよりもこちらの危険性の方が高いと言えます。
また、サシガメのような肉食性の種類の場合は、捕まえようとするなどの直接的な刺激に対して、防御のために鋭い口で刺してくることがあります。いずれにせよ、カメムシを見つけた場合は刺激せず、そっとティッシュなどで掴んで屋外に逃がすか、専用の殺虫剤を使用するのが賢明です。
カメムシが刺す被害と症状・対処法
- カメムシに刺された時の主な症状
- 要注意!サシガメに刺されたらどうなる?
- カメムシに刺されたあとの経過
- カメムシに刺されたら試したい対処法
- 皮膚炎の治し方と実際の写真
- まとめ:カメムシが人を刺す状況とは
カメムシに刺された時の主な症状
主にサシガメ類に刺された場合、以下のような症状が現れることが一般的です。
- 刺された瞬間の激しい痛み
「針で刺されたよう」「電気が走ったよう」と表現されるほどの、強い痛みを感じます。 - 赤みと腫れ
刺された箇所を中心に、皮膚が赤く腫れ上がります。腫れの大きさは個人差や刺された場所によって異なります。 - かゆみ
時間の経過とともに、痛みに加えて強いかゆみが出てくることが多いです。このかゆみは数日間続くこともあります。 - 水ぶくれ
体質によっては、刺された箇所が水ぶくれになることもあります。
これらの症状は、サシガメが注入する消化液に対する体の防御反応として起こります。症状の強さには個人差が大きいですが、基本的には痛み、腫れ、かゆみが三大症状と覚えておきましょう。
要注意!サシガメに刺されたらどうなる?
サシガメに刺された場合の痛みは、他のカメムシによる被害とは比較にならないほど強いのが特徴です。彼らの口吻は、他の昆虫の外骨格を貫くために非常に鋭く硬く発達しています。そのため、人間の皮膚にも容易に突き刺さり、強い痛みを与えるのです。
特に、大型のヨコヅナサシガメなどに刺されると、ミツバチやアシナガバチに刺された時と同等か、それ以上の痛みを感じることがあると言われています。痛みは数時間で和らぐことが多いですが、その後の腫れやかゆみが1週間以上にわたって続くケースも珍しくありません。
アナフィラキシーの可能性は?
ハチ毒と異なり、サシガメの消化液で重篤なアナフィラキシーショックが起きたという公式な報告は極めて稀です。しかし、アレルギー体質の方や、過去に刺されて強い反応が出た方は、念のため注意が必要です。万が一、刺された後に気分が悪くなったり、息苦しさを感じたりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
カメムシに刺されたあとの経過
カメムシ(主にサシガメ)に刺された後の経過は、一般的に以下のようになります。
| 時期 | 主な症状 |
|---|---|
| 刺された直後 | 鋭い痛み、刺された箇所が点状に赤くなる |
| 数時間後 | 痛みが少し和らぐが、赤みと腫れが広がり、かゆみが出始める |
| 1日~3日後 | 腫れとかゆみがピークになる。人によっては水ぶくれができる |
| 1週間前後 | 徐々に腫れとかゆみが引き、色素沈着(シミ)が残ることがある |
多くの場合、症状は1週間程度で自然に軽快しますが、かゆみが強いとかきむしってしまい、そこから細菌が感染して化膿する「とびひ」のような二次感染を引き起こすことがあります。かゆくても掻き壊さないように注意することが、きれいに治すための重要なポイントです。
カメムシに刺されたら試したい対処法
万が一カメムシに刺されてしまった場合、慌てずに以下の対処法を試してください。これはあくまで応急処置であり、症状が改善しない場合は専門医の診察を受けることが前提です。
応急処置の手順
- すぐに流水で洗い流す
まずは刺された箇所を、石鹸などを使ってきれいな水でよく洗い流します。皮膚に付着した消化液や雑菌を洗い流すことで、症状の悪化を防ぎます。 - 患部を冷やす
痛みや腫れを和らげるため、濡れたタオルや保冷剤などで患部を冷やしてください。 - 市販の薬を塗る
虫刺され用の市販薬を塗布します。かゆみを抑える抗ヒスタミン成分や、炎症を抑えるステロイド成分が含まれた軟膏が有効とされています。薬剤師に相談して、症状に適した薬を選びましょう。
最も重要なのは、皮膚科を受診することです。特に、痛みが非常に強い場合、腫れが広範囲に及ぶ場合、または数日経っても症状が改善しない場合は、自己判断で放置せず、必ず専門医の診察を受けてください。
皮膚炎の治し方と実際の写真
カメムシの分泌液が原因で起こる皮膚炎は、正式には「カメムシ皮膚炎」と呼ばれることもあります。これは虫刺されとは異なり、液体に含まれる化学物質による接触皮膚炎(かぶれ)の一種です。
症状と実際の写真について
症状としては、液体が付着した部分が赤くなり、ヒリヒリとした痛みや灼熱感を伴います。数日後には、茶色っぽい色素沈着(シミ)が残ることが多いのが特徴です。写真については、患部の画像を直接掲載することは控えますが、インターネットで「カメムシ皮膚炎」と検索すると、多くの症例画像を確認することができます。やけどの跡のように見えることが多いです。
皮膚炎の治し方・対処法
基本的な対処法は、刺された場合とほぼ同じです。
- 速やかな洗浄:分泌液が付着したと気づいたら、すぐに石鹸と流水で十分に洗い流してください。これが最も重要です。
- 冷却:ヒリヒリ感が強い場合は、冷たいタオルなどで冷やします。
- 薬の塗布:炎症を抑えるステロイド外用薬が有効とされていますが、まずは皮膚科を受診し、適切な薬を処方してもらうのが最善です。
色素沈着は数週間から数ヶ月で徐々に薄くなりますが、きれいに治すためにも、皮膚に液体がついたらすぐに洗い流すことを徹底しましょう。
まとめ:カメムシが人を刺す状況とは
この記事で解説した「カメムシが人を刺す」状況と、その対処法に関する要点をまとめました。
- カメムシの多くは植物食で人を刺さない
- 一部の肉食性カメムシ(サシガメ類)は人を刺すことがある
- 人を刺すサシガメは鋭い口で他の昆虫の体液を吸う
- 身を守るために防御として人を刺すことがある
- 代表的なのはヨコヅナサシガメなど
- 刺されるとハチのように激しく痛む
- クサギカメムシなど一般的なカメムシは人を刺さない
- 刺さないカメムシも分泌液で皮膚炎を起こすことがある
- カメムシの分泌液にはアルデヒドという刺激物質が含まれる
- サシガメが注入するのは毒ではなく消化液
- 日本でシャーガス病の心配は基本的にない
- 刺された症状は強い痛み・腫れ・かゆみ
- 症状は1週間ほど続くことがある
- 刺されたらすぐに石鹸と流水で洗い流し冷やす
- 症状がひどい場合や改善しない場合は必ず皮膚科を受診する



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